あえて~その2~学校現場の課題

前回の続きを。

小学校で新学習指導要領体育にタグラグビーが例示されたのはご存じのはずだ。
しかし、単発でタグラグビーが扱われることはあっても継続して扱われることは殆どない。

これには理由がある。
小学校では年間指導計画に基づくカリキュラム内の授業と、研究授業というのがある。
来週、私もある学校にタグラグビーの講師で出かけるのだが、タグラグビーは研究授業で取り扱われることが多い。
一方でタグラグビーが年間指導計画に位置づけられている学校は極めて少ない。
これが最初に述べた継続して扱われる事が少ない理由だ。

では何故、タグラグビーが研究授業でやられても、年間指導計画に位置づけられないのか?これはタグラグビーを知る人が少ないこと、指導できる人が少ないことに理由があると考える。
年間指導計画に位置づけられることが多いボール運動は以下のスポーツだ。
サッカー
バスケットボール
ソフトバレーボール
ソフトボール

どうだろう。
どれも皆が知っているスポーツだ。
専門的知識がなくても大人も子供も取り組みやすい。

一方、次のスポーツはどうだろう?
タグラグビー
フラッグフットボール
セストボール
プレルボール

聞いたことはあるけど、どんなスポーツか詳しくは知らない。または全く知らない人もいるだろう。
ではこれらのスポーツ、どれを年間指導計画で小学校が取り扱うかとなれば答えは見えてくるはずだ。

研究授業は新しいチャレンジを好む傾向にある。
だから既存のスポーツよりニュースポーツに取り組み、皆で話し合う。こういったケースが多い。

が、それを継続して取り組もうとなると全教員がそのスポーツを知らなければならない。そのためには職員全体で研修会を行い、理解を深めていく作業が必要となる。
更に教員の世界は異動がある。研修は一度だけではだめで、何年かに一度、研修をしなければならない。

加えて、小学校の教員は全科である。
体育だけではなく、国語・算数・理科・社会・総合・道徳・外国語、小規模校なら音楽や家庭科、図工も担任が指導することになる。
最近では外国語やPC機器の取り扱いなど、直近、必ず必要な事項の対応に迫られており、必ずしも必要でない事柄について研修を行う余裕がないのが実態だ。
更に放課後は事務仕事や最近増えてきた保護者対応など、主体である子供以外の事柄で時間と労力を必要とされる場面が本当に増えている。
組織は本来、スクラップ&ビルドが必要なのにこの世界はビルドばかりになってきている。

私は10年以上タグラグビーに関わっている。フォーリスカップの立ち上げに携わったり、サントリーカップ東京ブロックで教員と協会の架け橋なったり、教員タグ集団を作ったり、関東交流や東日本交流大会を立ち上げたりしてきた。
タグに命をかけてきた私であるが、とても同じ学校の先生方に「タグを年間指導計画に入れましょう。研修をやりましょう。」とは口が裂けても言えない。理由は先に述べた通りだ。

上記の環境の中でタグ魅力をいかに子供達や先生方に伝えていくか。
タグを広めようと思っている私たちはそれを意識しなければ、「一生懸命やっているのに全然広まらない。」と、愕然となってしまう。
学校現場の実態を理解した上で、それに応じた伝え方・広め方を皆で話し合っていかなければならないと考えている。

個人的な考えではあるが、今何名もの方がやってくださっている、「タグ伝導草の根活動」を今後も地道に継続していく事が大切だと思っている。私も時間の許す限り、様々な学校に講師で出かけ、タグの魅力を伝えようと思っている。

その際に私が意識しているのは、「小学校教員は全科である」という事だ。
難しいのは伝わらない。
タグラグビーをタグラグビーのまま伝えると、「おもしろそうだけど、私には教えられない」と、なってしまう。
「これ、簡単ね。早速、明日からやってみましょう。」と、思わせればよいのである。

サッカーやバスケでもそのままのルールで体育の授業をしてしまうと、「出来る子だけが活躍する」スポーツとなり、運動嫌いの子はますます運動嫌いになってしまう。実際、そういう場面を多く見てきた。

「だれでも・いつでも簡単に楽しく」こういった形に砕いて提供すればよいのだと思う。
タグラグビーの特性は「ドリブルの技能を必要としないランニングゲーム」である。これを全面に打ち出せばよい。
ドリブルがないほど運動嫌いの子供達が安心することはない。
現に体育のバスケでもドリブルをカットしてパス&ランの形にすると途端ゲームがスピーディーになり、みんなが活躍できる運動へ変化する。

ただし、「ラグビーって前にパスしてはいけないんでしょ」これが全面に出るとタグは途端につまらないゲームとなってしまう。
鬼ごっこなのである。エリス少年がボールを持って走った時からラグビーはスペースを見付けて走るランニングゲームなのである。
「タグを取られるまではゴールに向かって空いている所を見付けて走りなさい。タグを取られたら仲間にボールを渡しなさい。誰かがゴールに入れば得点です。」
これだけでよい。
パスにふれる必要はない。
これで子供達は楽しく走ることができるし、先生方も指導がシンプルで子供が楽しく運動すれば必ず反応してくれる。教師は子供の成長を見るのが何より好きだからだ。

タグの魅力を知ってくれる先生と子供を増やすのが「タグ伝導草の根活動」だ。
別に継続して授業でやらなくてもいい。
それを望めば現場とのギャップが起き、伝道師が疲れてしまう。
その先生と子供達がクラブでもいい、休み時間でもいい。タグをやってくれればいい。
そういった場面が多く見られるようになればよいのである。
たくさん楽しんで他の仲間と交流したくなったらサントリーカップにくればよい。
そのときのサントリーカップの立ち位置は前回述べた通り、色々なレベルの子が皆、楽しめる場であることが重要だ。

タグノートは幸せなことに見てくれている人がとても多い。日によってはアクセス数が5000を超えることがある。つまり発信力が強い。
だから最近はあまり自分の考えを述べないようにしてきた。
私の考えは一個人のものであり、それが主流になってはならないからだ。

しかし、最近、このまま何も手を打たないと今までみんなで頑張って築き上げてきたものが少しずつ壊れてしまうのではないかという危機感から意を決し、今の現状と自分なりの対応策を発信しようと思った。

知ることは大切な事。

次回は各クラブが抱えている課題について現状と私見を述べ、今提案の最終回としたい。

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