あえて~その3~クラブの課題

1回目、SC東京の課題。
2回目、学校現場の課題。

最後となる3回目はクラブの問題について。

タグクラブと言っても東京都では大きく以下の2つに分けることができる。
・小学校が母体となって活動するタグクラブ
・地域スポーツ団体として活動するタグクラブ

上記はそれぞれ異なった課題が一つずつ、共通の課題が一つあると実感している。

小学校主体のチームの課題
それは指導後継者育成の問題だと考える。
1回目で述べたように教員には異動がある。
ラグビー経験者、もしくはタグの魅力を知ってくれて指導をしてくれている教員がチームを率いることが東京都では多い。
が、その教員が異動すると指導する者がいなくなりチームが解散してしまうことが東京都ではある。
後継者を育てることが難しいのだ。
だから白小や南白は極めてレアなケースといえる。

なぜ後継者を育てることが難しいかは1回目で述べた通り。
教育活動の主たる要素でないため、「一緒にやろうよ」と、なかなか声をかけにくい。
東京の小学校は中学校の様な部活システムがない(ある学校も)。
だから学校が主体とは言え、タグクラブの存在はとても微妙なものなのだ。
中学校の様に部活として認められれば教育活動に位置付けられるし、若干ではあるが土日の手当も出る。
教員だって人間。
全てボランティアでプライベートを犠牲にするのはやはりきつい。
若手なら授業の準備もしたいだろうし、専攻教科の研究だってしたい。
タグで朝練、土日練となるとその時間が削られてしまう。
中堅・ベテランの先生には声をかけにくい。

そういった環境から後継者を育てるのが東京都では難しいのだ。

部活にしてしまえば教育活動に位置付けられるので声もかけやすく、後継者も育つと考えられるが、「なぜタグだけ部活にするのか」という反応は容易に想像できるし、様々な部活を作るとなるとそれはそれで色々な反応が予想される。

上記の様に改善策はあるのだが、諸処のハードルを考えると極めて難しいといえる。

地域スポーツ団体の課題
それは継続して一定数の部員を確保できるかという問題。
この学校の指導者問題の逆パターンで、チーム存続の危機に直面する団体が東京(関東)ではいくつかある。
例えば、七国のように私が教員で学校に在籍しているチームは私がいる間はよい。
実際、当該学校の教員が指導している点は大きなセールスポイントであり、子供にも保護者にも安心感を与える。
問題はその教員が異動した後。
指導者はいても、学校に誰も関係者がいなくなった時にどうチームの存在を地域に知ってもらうか?

例えばこれがサッカーやバスケ、野球など一般的に知られているスポーツならまだよいと思う。
タグラグビーは存在自体を知らない人も多く、言葉で説明してもなかなか理解してもらえない。
チラシを地域のお店に貼ってもらうだけでは厳しいだろう。
実際問題、全国優勝経験のある茅ヶ崎は部員が集まらず解散となった。
タグラグビー界ではあれだけの名門チームに部員が集まらないのである。
部員の確保がどれだけ難しいか理解してもらえるだろう。

しかし関東には地域スポーツ団体でありながら何年も継続して運営をしている団体がいくつもある。積極的にそういった団体からノウハウを学んで実践していくことが課題解決につながるのだと思う。

それと平行してタグラグビーというスポーツの一般化を組織的に図ることも大切だろう。
例えばサントリーカップをCATV等で中継放送する。
すでに中学ラグビー全国大会はJsportsで放映されている。様々なメディアで戦略的に露出することでタグラグビーを一般化させていくのは有効な手段だろう。

ただ、こういったメディア戦略は個々でやってもあまり効果はなく、組織として戦略立てて実践した方が効果が高い。

最後に共通の課題

これは保護者との関わりだと思う。
昔、昔。
私の所に「どうしてうちの息子はトップチームではないのですか。うちの子は一生懸命やっているんです。」と話をしに来た保護者がいた。

「みんな一生懸命やっています。その中でみんなで話し合い、メンバーを決めました。」と、言おうと思ったのだがあえて何も言わなかった。

指導者と保護者は同じ子供を見るのでも視点が違う。
Aという選手がいたとする。
指導者はAを集団の中の個と見る。集団の中でどうチームに貢献しているか、ストロングポイントは何か?克服すべき課題は何か?と、言った視点で見ることが多い。
つまりは相対評価だ。

一方、保護者はAを個として見ることが多い。家庭生活の中でタグに集中して取り組んでいる姿、努力している姿を毎日見る。今までよりもこんなにもAは成長した、タグをやらせてよかった、と見取るだろう。
つまりは個人内評価だ。私も2児の父なのでよく分かる。

どちらも正しい。ただ見る角度が違うだけだ。
この「見る角度が違う」ことを指導者も保護者も理解しなければ、この手の問題はなかなか解決しない。
チームは集団である。
集団の規律があり、その規律の上で成り立っている。
「見る角度が違う」ことを相互理解し、互いをリスペクトすればもっとスマートにいくはずだ。

例えば上記の話でチーム編成を変えたとしよう。
チームの規律は崩れる。指導は守勢に回る。結果としてよかれと思ってやった行為が自分の子供を苦しめる結果となる。

チーム編成は選手を相対的に見ている指導者の仕事であり、そこをリスペクトしてもらわなければチーム運営は非常に難しくなる。踏み入れてはいけない領域だと個人的には考えている。

私だって自分の息子の様子を見ていて、「もっとこういうところを見てほしいな」と、思うことはある。でも私が見ているのは個。集団での息子を見ている訳ではない。だからそこは委ねる。それが所作だと信じるからだ。
ここで私が物を申せば言われた側は守勢に回る。チャレンジのできない指導に魅力はない。それはめぐり巡って息子にとってマイナスとなる。

3回に渡って今、私が感じている課題について述べてきた。
昔、先輩から
「代案のない課題はただの文句」
と、教わったことがある。
だから課題を提起するときは必ず代案を出すよう努めてきた。

本当なら言わなくてもいいことかも知れない。
せっかくのラグビーブーム。
それに乗っかっていけいけどんどんでいいのかも知れない。

でもこんな千載一遇のチャンスだからこそ、真摯に課題に向き合い皆で協力して取り組んでいかなければならいと感じた。

あくまでもこれは一個人の考え。
色々な考えがあってよいと思う。
皆が知ってくれれば、考えてくれればそれでいい。

道筋はどうあれ最終的にタグがよい方向に向かっていけばそれでよい。

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同感

小学校、クラブの問題を読ませて頂きました。
同感ですね。私たちのチームはスポーツ少年団式のクラブチームです。
幸いにして、6年目のシーズンを楽しんでいます。


小学校チームは先生の転勤問題。
クラブチームは自分の子供が居なくなると、子供が集まらなくなり、廃部。


ほんと、課題は山盛りですね。



どれが正解かはわからないですが、タグラグビーがソフトボールやサッカー、バスケのような、地域スポーツか小学校での部活動のようなスポーツに落とし込まないと、全国大会は無理なように思います。

岡山も強豪クラブチームしかブロック大会には進めないだろうという雰囲気になって、盛り上がりに欠けて来ました。

本当に自分がやっている事が正しいのか?

私がタグラグビーを始めたのは、高校でラグビーを選ぶ人を増やしたい。うちのチームだけじゃなく、沢山の子供たちにラグビーを好きになってもらいたい。

そこが目標なんです。

まぁ、とりあえず、自分のできる事を頑張りますわ。

Re: 同感

お久しぶりです。
東京の課題だけでなく、他県でも似たような感じなのですね。
幸せな事に最近は全国のタグチームが交流を深められるようになってきました。
みんなで知恵を出し合っていつまでもたくさんの子供たちにタグラグビーの素晴らしさを伝えていきたいですね。
またいつかゆっくりお話させてください。
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