第13回サントリーカップ決勝大会

平成29年2月18・19日、調布市アミノバイタルフィールドで第13回サントリーカップ決勝大会が行われた。
今年はいたるところでクリスマスカップの魂が見られる、とても素晴らしい心温まる大会となった。
大会関係者の皆さま、本当にありがとうございました。
我々指導者も志を同じくしてタグラグビーの指導にあたっていきます。

優勝したのは七国と同じ八王子市のいずみの森ユナイテッドベアーズ。
チーム一丸となり攻守にわたって献身的なプレーをするタグラグビーのお手本のようなチームだった。
監督のI先生は創成期からずっとタグラグビーに関わってくれた人だ。
自分のチームの指導もしつつ、東京・関東のタグラグビーのために献身的に動いてくれた。
I先生が子供たちと一緒に喜ぶ姿を見ていて、心がとても温かくなった。
I先生、いずみの森ユナイテッドベアーズのみなさん、本当におめでとうございます。

会場にいた人は知っていることと思うが、七国スピリッツはこれまでに経験したことのない試練と戦った二日間だった。
しかし、チームはその困難を成長の糧とし、最後に目標とすべき姿まで高めることができた。
大会初日2試合目でキャプテンが、3試合目で5年生が負傷。
出場可能選手が6名となり、大会規定により公式戦続行不可能となった。

しかしチームは心折れることなく戦い、準々決勝で浦安ウイングスに2-0、プレート準決勝で青葉西タイタンズに4-1でそれぞれ勝利し、大会史上初、優勝チーム以外の無敗チームとなった。

予選2試合目後半、偶発的な接触で七国キャプテンが転倒。
後頭部を打ち、退場となった。
この地点で2-4。
大黒柱を失った七国、今までならここでジ・エンド。
しかし、このまま負けてはキャプテンに顔向けできないとばかりにチームが奮起。
4-4の同点に追いつく。
この直後、1点返され4-5、これで本当に終戦と思いきや、試合終了間際に再び同点トライ。
5-5でキャプテンの復帰を待つこととなった。

しかしこの直後、大会本部から大会ドクターから脳震盪の判断が出たので、今日明日の試合の出場を控えるようにとの通達を受ける。キャプテンのこれまでの努力と頑張りを思うと胸が張り裂けそうになったが、安全が何よりも最優先。受け入れがたい事実ではあったがこれもラグビー。無理やり自分に言い聞かせることにした。

不運はさらに続く。
予選最終戦の試合終了間際、インゴール付近で相手選手をかわすため5年選手がステップを踏んだ。と、同時にひざから崩れ落ち、グランドに倒れこんだ。
そのまま負傷退場。
彼も病院に搬送された。

頭を打ってはいなかったので、何とか大きなけがでないことを祈り、宿舎に帰った。

キャプテンはすでに病院で診察を終えており、その結果も伝えられていたようだった。

チームはファミレスで夕食をとるようだったが、キャプテンと帯同コーチを誘い近くのラーメン屋へ。
ラーメンを食べながらキャプテンに、
「ラグビーは身体的なプレーと声のプレーがある。身体的なプレーは控えなければいけないが、声のプレーは控える必要はない。君にはチームのためにやるべきことがたくさんある。」
と、話した。
監督の役目はチームと選手に向かうべき方向性を示すことだと考えている。
優しい言葉をかけるよりも、この時の彼女に必要なのは進むべき道を示すこと、成すべき使命を明らかにしてやることだと考えた。

しかし夜、病院に行っていた5年選手がはく離骨折と判明、車いすで帰ってきた。
ほんの少しでもいいから出たいと。
自分が出られないとチームが戦えないのを知っているからだ。
少しくらいの痛みならフォアザチームのためにそれもいいだろう。
しかし一人で歩くことができない選手を出すということは絶対にあってはならないこと。
目の前で起こっているすべての事実を受け入れ、その中で最善を尽くす、それもラグビー。

日曜日の朝、白糸交流に向かう前、選手を集めこう伝えた。
「昨日の試合で2名が今日試合に出場することができない。試合は全て交流戦となる。しかし、七国のラグビーを全国のタグラガーに見せることが大切。無敗で終えて伝説のチームになろう。」

チームが折れないために私ができること。
それは心を鬼にしていつも通りチームに進むべき道を、目標を示すこと。

白糸交流ではいずみと引き分け、山田・済南に勝利。
そして本番では前述の浦安・青葉西に勝利した。

「タグラグビーを学ぶ、タグラグビーで学ぶ」
8代目スピリッツはスキルが高い、つまりタグラグビーを学んではいた。
しかし、いざ試合になると簡単に相手に流れを渡してしまう。
自分たちでパニックに陥る。
「しんどいときは自分たちのラグビーを信じる、仲間を信じる、苦しい仲間を助ける、苦しくても顔に出さない」タグラグビーで学べることを学んでこなかった世代だ。

だが、最後の最後。
チームはやっとタグラグビーから学べた。
キャプテンがグランドにいなくても必死で仲間を助け合う、キャプテンはベンチからありったけの声でチームメートを鼓舞する。
七国魂
彼等彼女らがもがき苦しみ、努力してたどり着いた自分たちの七国スタイル。

最終戦終了後、選手たちはみな泣いていた。
無理やり気持ちをコントロールし、必死で戦ってきたが我慢の糸が切れたのだろう。
勝ったけど上に上がれない。
勝ったのに記録に残らない。

でも、選手たちはだれに言われることなく閉会式後、グランドに礼をして戻ってきた。
脱いだベンチコートはきちんと片付けらている。
どんな環境でもしっかりと自分たちの成すべきと事を丁寧にやりきる。
それが8代目スピリッツ。

13回サントリーカップ決勝大会
準決勝の欄と、プレート準決勝七国の試合にはそれぞれ0-5の記録がついている。
しかし会場にいたすべての人の記憶には伝説のチームとして七国スピリッツの名前が刻まれると信じている。

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今日明日の気持ちは辛い2日間、くやしい2日間、残念な2日間だと思います。でも、時間がたてば誇り高い2日間だったと、必ず思い出す筈です。
この2日間は、君たちのこれからの人生に、勝利以上の価値あるものになるものです。

Re:

ありがとうございます。
全てを受け入れ、その中で最善を尽くす。
それが七国スピリッツ。
子供たちは自分たちを支えてくれた全ての人に感謝していました。
きっとこの経験は人生のあらゆる場面で生きると思います。
子供たちに学びの場を与えて頂き、心から感謝しています。

七国の悲運を聞いて、選手たちの気持ちを思い、いたたまれなくなりました
しかし、2日目の浦安との戦いを見て、勝っても次に進めない試合を見て、本当の七国の底力を感じました
そして応援団の皆様の意凛々しい姿にも
このブログを読んで涙が出ました
感動をありがとうございました!

Re:

ありがとうございます。
念願のサントリーカップでの対戦が出来て本当に嬉しかったです。
起こりうる全ての現実を受け入れてその中で最善を尽くす。
選手やパパリッツ、ママリッツの凄さを感じた二日間でした。
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